2016年6月 7日 火曜日

歯が生えない

6歳前後に前歯は乳歯が抜け永久歯に生え替わりはじめますが、なかなか永久歯が生えて来ないという相談も少なくありません。
6歳前後という言葉を使いましたが、当然個人差は大きく、生え替わりの早い子もいれば遅い子もいます。患者さんに私が伝えるのはその順番です。

多くは下の前歯真ん中2本が生え替わりその後に下の前歯4本が生えそろいながら、上の真ん中2本が生え替わり、その後に上の4本が生えそろいます。
この順番どおりであれば、問題となることは多くありません。でも例えば、上の真ん中の歯が生え変わる前に、上の2番目の歯が出てきてしまったという場合は、なにか問題があるかもしれないと我々は考えます。

また、左右の歯は概ね同じ時期にはえることが多く、そのずれは通常4か月以内であることが多いとされています。ですから右の歯がはえはじめたのに4か月たっても反対側が出始めない場合も何か問題があるかもしれません。

生えない場合は、歯肉に切開を加えることで出てくる場合もありますし、矯正装置を使って引っ張らなければならない場合もあります。お近くの矯正専門医の意見を聞くのがよいでしょう。その場合はレントゲン撮影が必要になることが多いと思います。

投稿者 高橋矯正歯科医院 | 記事URL

2016年4月 4日 月曜日

噛み合わせを良くする意味って?

矯正治療はやらなくてはだめですかと聞かれることがあります。
それに対して私は「やらないとだめということはありません」といつも答えます。
日本は皆保険制度の国です。特定の疾患以外の矯正治療が認められていない現状、やはり矯正治療は必須のものではないのだと思います。
しかし、見方を変えると 日本の保険制度は特に歯科においては、予防というものがほぼ認められていません。フッ素塗布だって保険適用ではないですよね。

お子さんもいつかは、年を取り大人になっていきます。そこを見据えた矯正治療という概念は以前からありましたが、最近このあたりのバックグラウンドがより鮮明になりつつあります。

テレビでもよく取り上げられる言葉としてフレイルという言葉があります。これは衰弱という意味です。歯科ではオーラルフレイル(口腔周囲筋の衰弱)というように使われ、咬む筋肉や舌の筋肉の活動の低下が 全身の筋力の低下や加齢による運動障害の前兆として現れるということが東京大学の研究によっても明らかにされつつあります。

このオーラルフレイルの予防には、咬み合わせを維持するということが非常に重要です。咬み合わせを維持するという考えには、もちろん歯がなくなったところに入れ歯やインプラントを入れる、もしくは被せ物をつけるというのも処置の方法ですが、やはり歯を失わない、むし歯にならないというのが理想であるのは言うまでもありません。

咬み合わせが悪い患者さんが矯正治療をすることは、咬み合わせをよくして咬む筋肉をしっかり作用させます。咬むことにより歯にかかる力は均等化されますので、歯周病は進行しにくくなりますから、歯を失うリスクも軽減されます。また歯並びの悪い患者さんが矯正治療をすると、見た目だけでなく歯磨きが容易にできるようになり、やはりむし歯や歯周病のリスクが軽減し、咬み合わせの維持には有利にはたらきます。

オーラルフレイルという考えは、高齢社会になってきてはじめて現れた概念ですが、適切な矯正治療をして若いうちに良い歯並び良い咬み合わせを得ておくことが、年取ってからも元気で健康でいられる時間が長くなるということです。

特にお子さんでも、骨格的な問題が疑われる場合は、早めの矯正治療も必要になってきます。骨格的な問題は小学校中学年くらいまでには治療を開始したいところです。今だけでなく良い咬み合わせは年をとってからもより大切になってくるわけですので、未来のためには価値ある投資ではないかなと思います。

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2015年11月 2日 月曜日

最近は歯を抜かないで治療するのが主流です  は本当か?

 先日、わざわざ川崎から治療の相談にお見えになったお母様が、近所の一般歯科に矯正の治療に行った処、そこに月に1〜2度矯正の治療にみえている矯正の先生に 

「最近は歯を抜かないで治療するのが主流です」

と言われたそうで、本当にそうなのでしょうか?と 疑問を投げかけられました。

抜歯の問題は、いわゆるFAQのひとつです。

 2012年の日本臨床矯正歯科医会の調査で、日本臨床矯正歯科医会(矯正専門開業医で構成される団体)の会員診療所1年間の抜歯治療率は58% という調査結果が出ています。非抜歯治療は約4割なわけですから決して主流ではありません。専門開業医でないところの先生は「抜歯しないのが主流」とおっしゃるわけですが、一般歯科における矯正治療ではなぜ専門医に比べてそういうことが起こるのかが、私は大変不思議です。

 抜歯をしないで治療をすると聞けば、患者さんにとってはそれは大変大きなメリットに聞こえます。でも、それは同じ治療結果が出るという前提のものです。我々が抜歯治療をすすめる場合は、2つのパターンがあります。ひとつは抜歯をしないと治療が不可能な場合。もうひとつは抜歯をすることで、非抜歯治療よりも明らかにメリットが出てくる場合。問題はこの抜歯治療のメリットを担当する先生がいかにしっかり説明してくれるかです。もっと良い結果がでるかもしれないのに、非抜歯治療しか説明されないのでは患者さんにとっては、治療の選択肢が狭まってしまいます。

 抜歯しないと出来ない治療、抜歯してはならない治療があるのとおなじく、ボーダーライン上のどちらでもできるという場合も存在します。そういう時に双方のメリットデメリットをしっかり聞く姿勢も矯正を開始する前には必要ではないかと思います。

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