院長ブログ
2014年9月 5日 金曜日
6歳臼歯が、斜めに生えてしまった。
前歯にデコボコがあるとか、いわゆる八重歯とかで治療にお見えになるかたは少なくありません。前歯の並びが悪くていらっしゃる方は一番多い方かもしれません。
虫歯の数は全国的にも明らかに減っていますが、矯正治療の適応の患者さんは減らないなあというのが、毎年の学校歯科健診からうける感想です。
そういう中でも、なかなかおうちでも気づかないのが、第一大臼歯、いわゆる6歳臼歯という歯が生えきる場所がないという問題です。
6歳臼歯はその名のとおり、6歳前後に生えてくることが多い奥歯です。前歯が生え変わるころに第二乳臼歯というそれまで生えていた一番奥の歯のさらに奥に新たに出てくる歯です。この6歳臼歯が生えるための充分なスペースが無く、第二乳臼歯に斜めに衝突するように生えてきてしまう子どもが最近増えているように感じます。
前歯の並びが、といらっしゃった小学校二年生の患者さんの右上の奥歯がこういう状態でした。お母様はこのことには気づかれていませんでした。奥歯ですし、なかなかおうちでは気づきにくいというのも実情ですし、学校歯科健診では見落としがちであったり、そこだけが問題であれば不正咬合のカテゴリーに入れてもらえない可能性もあります。
このような場合、うしろからぶつかられた乳臼歯は長持ちしないこともあり、6歳臼歯が斜めに生えてしまいます。その結果6歳臼歯の一本前の永久歯である、第二小臼歯の生えるためのスペースがどんどん無くなってしまいます。
これを防ぐためには、6歳臼歯がこれ以上前に倒れないようにするか、もしくは先んじて6歳臼歯を正常な位置に持っていくかを検討する必要があります。これを放置すると、見た目というよりは奥歯の噛み合わせに大きな問題が生じてしまいます。
実は、6歳臼歯だけでなく、その奥の12歳臼歯もきちんと生えない子どもが増えています。見た目を理由に矯正治療をやらないという患者さんでも、奥歯それも、大臼歯2本がしっかりと咬み合うことを噛合わせの上で大変重要です。
虫歯の数は全国的にも明らかに減っていますが、矯正治療の適応の患者さんは減らないなあというのが、毎年の学校歯科健診からうける感想です。
そういう中でも、なかなかおうちでも気づかないのが、第一大臼歯、いわゆる6歳臼歯という歯が生えきる場所がないという問題です。
6歳臼歯はその名のとおり、6歳前後に生えてくることが多い奥歯です。前歯が生え変わるころに第二乳臼歯というそれまで生えていた一番奥の歯のさらに奥に新たに出てくる歯です。この6歳臼歯が生えるための充分なスペースが無く、第二乳臼歯に斜めに衝突するように生えてきてしまう子どもが最近増えているように感じます。
前歯の並びが、といらっしゃった小学校二年生の患者さんの右上の奥歯がこういう状態でした。お母様はこのことには気づかれていませんでした。奥歯ですし、なかなかおうちでは気づきにくいというのも実情ですし、学校歯科健診では見落としがちであったり、そこだけが問題であれば不正咬合のカテゴリーに入れてもらえない可能性もあります。
このような場合、うしろからぶつかられた乳臼歯は長持ちしないこともあり、6歳臼歯が斜めに生えてしまいます。その結果6歳臼歯の一本前の永久歯である、第二小臼歯の生えるためのスペースがどんどん無くなってしまいます。
これを防ぐためには、6歳臼歯がこれ以上前に倒れないようにするか、もしくは先んじて6歳臼歯を正常な位置に持っていくかを検討する必要があります。これを放置すると、見た目というよりは奥歯の噛み合わせに大きな問題が生じてしまいます。
実は、6歳臼歯だけでなく、その奥の12歳臼歯もきちんと生えない子どもが増えています。見た目を理由に矯正治療をやらないという患者さんでも、奥歯それも、大臼歯2本がしっかりと咬み合うことを噛合わせの上で大変重要です。
投稿者 高橋矯正歯科医院 | 記事URL
2014年8月20日 水曜日
反対咬合の話~いつ、どこで治療をするのか~
今年の頭くらいでしょうか、他の診療室で反対咬合の治療を5年ほど続けているという患者さんがいらっしゃいました。中学生の女の子です。反対咬合の治療は、前歯が生えそろう小学校低学年にできればなんとか一度前歯の噛み合わせを改善し、その後背の伸びや生え変わりの様子を観察しながら次の治療のタイミングを図るというのが王道です。この次の治療いつ入るかというのが実は難しいところです。
その患者さんは、前歯の噛み合わせを治しながらも、背がぐんとのびる時期を迎えてしまい、上の前歯を後ろから前に押しているのだけども、背の伸びととも下の顎がのびてきてしまいいつまでたっても治療が終わらないという状況に陥っていました。
確かに背がどのように伸びるかということを、確実に予測するのは100%正確にできることではありません。それを知っているので、矯正治療がきちんとわかっている先生は、背の伸びを慎重に見極めてから治療を初めて、極力治療期間が無駄に長くならないようにします。
残念ながら、この患者さんは矯正専門医のところで治療した患者さんではありませんでした。お母さんからよくお話を聞くと、矯正だけではなく一般治療もやっている歯科医のほうが安心だと思ったそうです。
どうして、そう思ってしまったのだろうなあと思います。これには我々の努力が足りないのかもしれません。僕がよくするたとえですが、では脳外科の手術を内科医のところで受けるのでしょうか?お産を普通の外科で行なうのでしょうか?
本来歯科は、医科からすればより専門性の高い分野として独立しています。矯正も専門として勉強してきた私からすると、その中でも矯正はかなり特殊な分野です。
この患者さんは、装置を外し歯を動かすのをやめ、成長観察を行なうことにしました。残念ながら今つけていた装置でやった治療は結果的には無駄なものでした。私としては、はじめから矯正がきっちりわかっている先生のところで治療してくれればという残念なきもちでいっぱいです。
お子様の矯正治療をどこでやるかというのは、お父さんお母さんが決めることです。きちんと分からないで治療をする側にもちろん問題はありますが、玉石混交の情報の中正しい歯科医選びをするのも、親御様の責任ではないかと思います。
テレビをみても、インターネットをみても、雑誌をみても、そこには我々専門家からみると、嘘ばっかりだというような情報があふれています。私は微力ながら正しい情報を発信するようにしていますし、そういう心ある先生は決して少なくありません。
好ましい情報だけでなく、しっかりと医療というものを見定めてお子様の治療を考えていただくことが重要ではないかと常々考えています。
その患者さんは、前歯の噛み合わせを治しながらも、背がぐんとのびる時期を迎えてしまい、上の前歯を後ろから前に押しているのだけども、背の伸びととも下の顎がのびてきてしまいいつまでたっても治療が終わらないという状況に陥っていました。
確かに背がどのように伸びるかということを、確実に予測するのは100%正確にできることではありません。それを知っているので、矯正治療がきちんとわかっている先生は、背の伸びを慎重に見極めてから治療を初めて、極力治療期間が無駄に長くならないようにします。
残念ながら、この患者さんは矯正専門医のところで治療した患者さんではありませんでした。お母さんからよくお話を聞くと、矯正だけではなく一般治療もやっている歯科医のほうが安心だと思ったそうです。
どうして、そう思ってしまったのだろうなあと思います。これには我々の努力が足りないのかもしれません。僕がよくするたとえですが、では脳外科の手術を内科医のところで受けるのでしょうか?お産を普通の外科で行なうのでしょうか?
本来歯科は、医科からすればより専門性の高い分野として独立しています。矯正も専門として勉強してきた私からすると、その中でも矯正はかなり特殊な分野です。
この患者さんは、装置を外し歯を動かすのをやめ、成長観察を行なうことにしました。残念ながら今つけていた装置でやった治療は結果的には無駄なものでした。私としては、はじめから矯正がきっちりわかっている先生のところで治療してくれればという残念なきもちでいっぱいです。
お子様の矯正治療をどこでやるかというのは、お父さんお母さんが決めることです。きちんと分からないで治療をする側にもちろん問題はありますが、玉石混交の情報の中正しい歯科医選びをするのも、親御様の責任ではないかと思います。
テレビをみても、インターネットをみても、雑誌をみても、そこには我々専門家からみると、嘘ばっかりだというような情報があふれています。私は微力ながら正しい情報を発信するようにしていますし、そういう心ある先生は決して少なくありません。
好ましい情報だけでなく、しっかりと医療というものを見定めてお子様の治療を考えていただくことが重要ではないかと常々考えています。
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2014年8月 8日 金曜日
犬歯がなかなか生えないとき
歯の生え変わりは下の前歯から順に進んでいくことが多いわけですが、犬歯という3番目の歯、俗に糸切り歯という歯ですが、それも上の犬歯がなかなか生えない場合があります。
こういう場合にわれわれが一番心配するのは、犬歯がまっすぐに伸びずに横のほう(前歯の方)に向かってはえてきていないかということです。
もしこういうことがおきると、一番前の歯や二番目の歯の根っこに犬歯があたってしまい、あたられた方の歯がだめになってしまうことがあります。
この診断にはパノラマレントゲンというものを撮るのが一番確実ですが、このレントゲンは原則的に16歳以上でないので保険適用にならないので、一般歯科では見逃してしまうことが多いのです。パノラマレントゲンは被爆量も小さいですが、得られる情報が多いので、若年者にも保険適用になると利点が多いと思うのですが、なかなか制度が変わりません。
ご家庭での確認としては、まず、乳歯の3番目の歯がなかなか抜けないというような場合は、次に生えてくる大人の歯の犬歯がへんな方向を向いている可能性がありますので、矯正医を受診するのがおすすめです。矯正医は、年齢や歯肉の状態、他の歯の生え変わりの状況から、しばらく観察するか、すぐにレントゲンをとるべきかを判断すると思います。
もし、残念なことにこのままでは前歯に悪い影響を生えてこない犬歯が及ぼす可能性が高い場合は、歯茎を切って犬歯に矯正装置をつけ、犬歯の生える方向を修正していくことになります。犬歯は根も長く、動かすのはけっして簡単ではないのですが、前歯がだめになることには代えられません。
こういう場合にわれわれが一番心配するのは、犬歯がまっすぐに伸びずに横のほう(前歯の方)に向かってはえてきていないかということです。
もしこういうことがおきると、一番前の歯や二番目の歯の根っこに犬歯があたってしまい、あたられた方の歯がだめになってしまうことがあります。
この診断にはパノラマレントゲンというものを撮るのが一番確実ですが、このレントゲンは原則的に16歳以上でないので保険適用にならないので、一般歯科では見逃してしまうことが多いのです。パノラマレントゲンは被爆量も小さいですが、得られる情報が多いので、若年者にも保険適用になると利点が多いと思うのですが、なかなか制度が変わりません。
ご家庭での確認としては、まず、乳歯の3番目の歯がなかなか抜けないというような場合は、次に生えてくる大人の歯の犬歯がへんな方向を向いている可能性がありますので、矯正医を受診するのがおすすめです。矯正医は、年齢や歯肉の状態、他の歯の生え変わりの状況から、しばらく観察するか、すぐにレントゲンをとるべきかを判断すると思います。
もし、残念なことにこのままでは前歯に悪い影響を生えてこない犬歯が及ぼす可能性が高い場合は、歯茎を切って犬歯に矯正装置をつけ、犬歯の生える方向を修正していくことになります。犬歯は根も長く、動かすのはけっして簡単ではないのですが、前歯がだめになることには代えられません。
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2014年7月 8日 火曜日
取り外し式の装置か、それとも固定式装置か?
矯正装置には固定式で自分でははずせないものと、取り外し式で自分ではずせるものがあります。同じ歯の動きをもたらすものであっても、固定式と取り外し式があります。
治療の相談に来た最初の段階から、固定式の装置でお願いしますという人はいませんが、「取り外し式の装置でお願いします」という患者さんはたまにいらっしゃいます。
取り外し式装置を望む患者さんの理由の多くは、まず「固定式だと子供が可愛そうで」というもの。次に「歯磨きが大変そう」というものという印象をもっています。
取り外し式装置は、取り外せてかつ歯磨きもやりやすく、歯も動くのでいいことずくめだということでしょうか?実際そう言って取り外し式の装置をすすめる先生もいらっしゃるかとも思います。
私の見解としては、歯磨きがやりやすい これは最大のメリットだと思います。これは固定式装置にはどうしてもかなわないところです。
でも欠点があります。
ひとつには、装置をはめることができなければ歯は動かないということです。きっちりと決められた時間ちゃんと装置を使うことができるのであれば問題ありません。取り外し式の装置の場合、装置をはめている間の歯は動きますが、はずしている間にまたもとの場所に歯はもどっていきます。つかったり使わなかったりでは、治療はすすみません。
もうひとつは、ある程度歯が動くと装置の作り直しの必要がでてくる可能性があるということです。固定式の装置の場合、取り外し式装置に比べ装置の作り直しということは圧倒的に少ないかと思います。治療費の見込みがたちにくいということはないでしょうか?
固定式の装置の違和感はどうなのでしょう?取り外し式装置はもちろんはずしてしまえば快適な状態ですが、装着時はそれなりの違和感があるものです。発音への影響は固定式のものよりも大きい場合もあるかと思います。なによりもはめている時間が長いほうが歯が動くのですから、快適さを考えると治療がすすまないというジレンマがあります。
私自身は、しっかりとした歯磨き指導を行い、それを実際にご家庭でも行なうということで、固定式の装置を使うというのは決して悪いことではないとおもいますが、きちんと使えば両方とも良い結果は出るわけですから、しっかりと利点と欠点を考えて治療を始めることが大切です。
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2014年6月18日 水曜日
受け口の治療について
先日顎変形症学会に出席してきました。顎変形症の治療は成人の治療で受け口を外科手術を併用して治すことになります。
お子さんの治療の場合、特に受け口に関しては、「手術の必要な顎変形症にならないようにしたい」というのが基本的なスタンスです。
受け口の治療に関しては、よほどひどい症状でなければ前歯が永久歯に生え変わる小学校入学まで待つことが多いです。よほどひどい場合は乳歯期に開始することもありますが、まれです。
上顎と下顎はじつは別々に成長し、中学生頃の背が1年10cmくらいのびる時期には、上顎は成長しませんが、下顎は成長します。ですからそこまでに上顎をしっかり成長させておくことが、まずは大きな目的になります。
背がたくさん伸びるときに、下顎が大きく伸びてきてしまう場合もありますが、この予測はどうしても正確にはできません。もちろん顎の骨格パターンは予測の助けにはなりますが、お母様とお父様の身長がこれくらいだから背はこのくらい伸びるだろう程度の予測にとどまります。
矯正治療には適切な開始時期があるとは以前ここでかかせていただいた通りですが、受け口に関しては遅くても小学校入学の頃には一度治療を検討していただくのがよいと思います。
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