院長ブログ
2014年7月 8日 火曜日
取り外し式の装置か、それとも固定式装置か?
矯正装置には固定式で自分でははずせないものと、取り外し式で自分ではずせるものがあります。同じ歯の動きをもたらすものであっても、固定式と取り外し式があります。
治療の相談に来た最初の段階から、固定式の装置でお願いしますという人はいませんが、「取り外し式の装置でお願いします」という患者さんはたまにいらっしゃいます。
取り外し式装置を望む患者さんの理由の多くは、まず「固定式だと子供が可愛そうで」というもの。次に「歯磨きが大変そう」というものという印象をもっています。
取り外し式装置は、取り外せてかつ歯磨きもやりやすく、歯も動くのでいいことずくめだということでしょうか?実際そう言って取り外し式の装置をすすめる先生もいらっしゃるかとも思います。
私の見解としては、歯磨きがやりやすい これは最大のメリットだと思います。これは固定式装置にはどうしてもかなわないところです。
でも欠点があります。
ひとつには、装置をはめることができなければ歯は動かないということです。きっちりと決められた時間ちゃんと装置を使うことができるのであれば問題ありません。取り外し式の装置の場合、装置をはめている間の歯は動きますが、はずしている間にまたもとの場所に歯はもどっていきます。つかったり使わなかったりでは、治療はすすみません。
もうひとつは、ある程度歯が動くと装置の作り直しの必要がでてくる可能性があるということです。固定式の装置の場合、取り外し式装置に比べ装置の作り直しということは圧倒的に少ないかと思います。治療費の見込みがたちにくいということはないでしょうか?
固定式の装置の違和感はどうなのでしょう?取り外し式装置はもちろんはずしてしまえば快適な状態ですが、装着時はそれなりの違和感があるものです。発音への影響は固定式のものよりも大きい場合もあるかと思います。なによりもはめている時間が長いほうが歯が動くのですから、快適さを考えると治療がすすまないというジレンマがあります。
私自身は、しっかりとした歯磨き指導を行い、それを実際にご家庭でも行なうということで、固定式の装置を使うというのは決して悪いことではないとおもいますが、きちんと使えば両方とも良い結果は出るわけですから、しっかりと利点と欠点を考えて治療を始めることが大切です。
投稿者 高橋矯正歯科医院