2014年6月30日 月曜日

永久歯が生まれつき無い場合


 秦野市の乳幼児検診に年に2回ほど、歯科医師会のほうから参加しています。すると、必ず一人二人は乳歯でも前歯の数が足りなかったり、二番目と三番目の歯がくっついて一本になっていたりすることがあります。

 こういう場合は、必ずではないのですが次に生えてくるはずの永久歯が欠損することが多いのです。これは、永久歯の元となる歯胚というものが出来ないことによるものです。
「どうしたらよいでしょう?」と、検診の場でも相談を受けることがあります。

 答えは「歯が足りなくなる可能性があるのは残念ですが、今は何もできることはありません。小学校に入学する頃に場合によってはレントゲンなどを撮って本当に歯がないかどうかを確認してみるのがよいと思います。もし歯が足りない場合は、噛み合わせは歯が足りない分少しづつずれてしまいますので、そこを改善するには矯正治療が必要かもしれません。」
というものになります。

 実際には永久歯の欠損は、前から5番目の永久歯である第2小臼歯にも多くみられます。これは、一番大きくて奥に生えている第二乳臼歯が抜けたあとに生えてくる歯ですから、気づくのが少し遅くなります。レントゲンをとらないとはっきりわからないということも多いです。

   乳臼歯は、使い方によっては40歳くらいまでもつ場合もありますから、大切に乳臼歯をとっておいて、おとなになってから入れ歯なりインプラントなりを選択するのも良いと思います。

 もちろん、大人になってから隙間を詰めるように矯正をするのも選択肢になりますが、下の奥歯を前に持ってくるのは骨の固さや根っこの太さの関係から結構時間がかかるので、比較的動きやすい低年齢でやっておきたいというのも正直なところです。時間だけでなく歯の動きに伴い歯茎が下がるということも大人になってからのほうが起きやすくなります。

 また、現在永久歯が6本以上先天的にない場合は、矯正治療についても保険が適用されます。これについては、一般歯科の先生はご存知ないことも多く、また、届け出をしている矯正専門医でないと保険治療ができませんので、知っておいていただければと思います。

投稿者 高橋矯正歯科医院