院長ブログ
2014年5月20日 火曜日
矯正治療は早くやるのが良いのか?
結論から言うと、早くやればいいというものではありません。
早くやれば、早く治るとは限りません。適切なタイミングがあります。
ただ正直言えば、早くやれば治療が遅すぎたということは絶対におきません。これはひとつメリットかもしれません。
しかし、早くやることのデメリットがあります。
ひとつは、治療期間が長くなってしまうことです。矯正装置を使っている間はやはり、使っていない状態に比べれば虫歯になりやすいと言えます。歯並びがよくなっても虫歯が増えてしまっては元も子もありません。
もうひとつは、早く始めた分早く終るということは、ほとんどないので治療を受ける子供のモチベーションが維持できない場合があるということです。
治療中の虫歯については、矯正専門医であれば如何にして防いでいくかという各診療所でのシステムがあるとは思いますが、それでも装置装着期間は短いほうがよいに決まっています。
あくまで一般的にいえば、
1:乳歯からの矯正治療は極めてまれです。よほどひどい受け口(反対咬合)などでないと乳歯から治療をする必要性はあまりありません。
2:いわゆる出っ歯や受け口など歯だけではなく骨格的な問題を有する問題治療については、永久歯の前歯が出始める頃、もしくは前歯が生えそろった頃から始めることが多いです。
3:噛み合わせに関係がなく、いわゆるデコボコがある状態であれば、どんなに早くても治療は前から4番目の永久歯(第一小臼歯)が生えた頃になることが多いです。
2、3については、なかなか歯科医でないと状況がわかりにくいかとは思いますので、専門医に相談されるのがよいと思いますが、乳歯のうちから矯正治療をやるという場合は、お父様お母様でも歯の状態が乳歯だけなのかどうかというのは判断がつくと思いますので、慎重に進められることをオススメします。
矯正治療開始時期には適切なタイミングがあります。早くやらなければならないことは早くやる。遅くても良いことはあとでやる。書いてみると当たり前のようですが、どうもこの見極めが違うことが多いと思います。
投稿者 高橋矯正歯科医院